研究概要 |
グリチルリチン(甘草),ペオニフロリン(芍薬)等に対するscFVを作成し抗体としての性状を,それぞれのMAbと比較した。その結果抗グリチルリチンscFVは直接的ELISAでは親和性を持つものの,競合的ELISAではグリチルリチンの測定が出来ないことが明らかとなった。ペオニフロリンについてもscFVを抗ペオニフロリンMAbと比較検討した結果,何れも幅広いクロスリアクションを持つ抗体で,両者ともほぼ同一の挙動を示すことが明らかとなった。更に大黄,センナの有効成分であるセンノシドA及びBに対するMAb生産ハイブリドーマから同様にscFV遺伝子を作成した。センノシドAに対するscFVは上記の発現方法とは異なり,バチュロウイルスに組み込み,昆虫細胞に感染させることにより,インクルージョンボデイになることなく培養液内に分泌されることが明らかとなった。 一方,人参のジンセノシドReに対するMAbを用いて,装着カラムを作成しノックアウト漢方を作成し,糖尿病モデルマウスを用いて投与実験を下結果,研究経過の項で延べた通り,アメリカ人参エキスからジンセノシドReのみを除去した,ノックアウトエキスは粗エキスに比べ明らかにマウスの体重を上昇させることから,アメリカ人参エキスの体重をコントロールした活性本体はジンセノシドReであることを明らかにした。従って,ノックアウト漢方、エキスが活性本体を見出す有効な手段であることを明確にした。
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