研究課題/領域番号 |
19659177
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研究機関 | 長崎国際大学 |
研究代表者 |
正山 征洋 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (70037604)
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研究分担者 |
森永 紀 長崎国際大学, 薬学部, 講師 (60465771)
宇都 拓洋 長崎国際大学, 薬学部, 助手 (90469396)
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キーワード | ノックアウト漢方 / 活性成分 / アフィニテイカラム / エビデンス / 生薬 |
研究概要 |
芍薬のペオニフロリンと甘草のグリチルリチンに対するscFVを作成しそれらの性状をそれぞれのMAbと比較した。その結果ペオニフロリンに対するscFVを抗ペオニフロリンMAbと比較した結果、両者とも幅広いクロスリアクションを持つ抗体で、ほぼ同一の挙動を示すことが明確となった。抗グリチルリチンscFVは直接的ELISAでは親和性を持つものの、競合的ELISAではグリチルリチンの測定が出来ないことが明らかとなった。 これらの結果からscFVを装着カラムでは十分なアフィニテイを持つカラムは得られないことが明らかになったので、抗グリチルリチンMAbと抗ペオニフロリンMAb装着カラムを作成した。本カラムを用いて、芍薬甘草湯エキスをチャージし、各種溶出溶媒を検討した結果、芍薬甘草湯エキスからグリチルリチンとペオニフロリン両化合物のみを除去し、他の成分は全て保有するエキスの作成に成功した。このことは我々が新たに開発した「イースタンブロッテイング法」と通常の薄層クロマトにより確認し、「ノックアウト漢方エキス」であることを明確にした。薬理効果については目下検討中である。一方、アメリカ人参エキスからジンセノシドReのみを除去したノックアウトエキスは粗エキスに比べ明らかにマウスの体重を上昇させることから、アメリカ人参エキスの体重をコントロールした活性本体はジンセノシドReであることを明らかにした。本研究により創製した「ノックアウト漢方エキス」は活性本体を見出す有効な手段であることを明確にした。
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