研究課題/領域番号 |
19659182
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹原 徹郎 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70335355)
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研究分担者 |
大川 和良 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80432540)
巽 智秀 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20397699)
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キーワード | オートファジー / NASH / MCD / マウス / LC3 / 酵素抗体法 / 脂肪肝 |
研究概要 |
オートファジーは細胞内蛋白質およびオルガネラのバルク分解系であり、飢餓時のアミノ酸不足の解消や、不要な蛋白質の分解など様々な役割を担っていると考えられている。オートファジーと非アルコール性脂肪性肝疾患の関係を検討するために、オートファジーを蛍光顕微鏡で視認できるように作成されたGFP-LC3トランスジェニックマウスを用いて検討を行った。このシステムはオートファジー亢進に際し隔離膜上に形成されるLC3の凝集を点状のドットとして検出するものである。しかし、肝細胞は自家蛍光が強いため、点状の蛍光の定量化は極めて困難であった。そこで、酵素抗体法を用いることにより、より客観的な検出法の開発に成功した。この観察システムを用いることで、24時間絶食させたマウスの肝細胞や心筋細胞でオートファジーの亢進を明瞭にとらえることができた。マウスのNASHモデルを作成するため、メチオニン・コリン欠乏(MCD)食の投与を行った。コントロール食投与マウスに比し、MCD食を2週間投与したマウスの肝細胞で著明なオートファジーの元進を認めた。このオートファジーの亢進は、通常食マウスを投与し、24時間絶食させた場合よりもはるかに強かった。NASHではオートファジーが誘導されることが示され、オートファジーがNASHの病態形成になんらかの意義をもつ可能性が示唆された。
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