研究課題/領域番号 |
19659202
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
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研究分担者 |
李 鍾國 名古屋大学, 環境医学研究所, 准教授 (60303608)
福田 恵一 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (20199227)
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キーワード | 交感神経 / 心筋 / 不整脈 / 心臓突然死 / 神経栄養因子 |
研究概要 |
自律神経活動は、生体において血圧や心拍数のコントロールの制御を行い、ストレスや環境の変化などへの対応を可能としている。一方、この自律神経制御システムの破綻は、「心臓突然死」の発生に極めて重要な役割を果たしていると考えられる。本研究においては、心筋内における交感神経伸長と神経・筋接合形成のメカニズムの詳細を明かとするために、ラット新生仔の心室筋細胞と上頸神経節由来交感神経細胞を間隔1mmで近接培養し、神経伸長、神経・筋接合部形成に対するnerve growth factor (NGF: 50ng/mL)、 glial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF: 10ng/mL)の効果を、免疫染色法、電子顕微鏡写真および多電極付培養皿を用いた細胞外電位記録法により調べ、NGF、 GDNF非添加のControl群と比較した。その結果、NGFまたはGDNF存在下では神経軸索伸長と心筋細胞表面のsynapsin発現増加がみられ、心筋細胞に近接する神経終末小胞が観察された。また、βアドレナリン受容体は交感神経線維が分布している心筋細胞において有意に増加した。細胞外電位記録実験では、ニコチン添加による神経細胞刺激で、心筋細胞の自己拍動が有意に増加した。以上の結果から、NGF、 GDNFは交感神経と心筋の形態学的、及び機能的な接合形成を促進することが示唆された。
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