研究課題/領域番号 |
19659208
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
貫和 敏博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40129036)
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研究分担者 |
五味 和紀 東北大学, 病院, 助教 (20400335)
海老名 雅仁 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10280885)
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キーワード | サルコイドーシス / BTNL2遺伝子 / 遺伝子多型 |
研究概要 |
平成20年度は、前年度の臨床検体集積とBTNL2遺伝子Exon5に存在する多型部位rs2076530(G16071A)の解析結果をもとに 1) 本邦においてBTNL2遺伝子多型は、サルコイドーシスの宿主因子として作用しているか 2) BTNL2遺伝子多型と、サルコイドーシスの臨床病態と関連性があるか の解析を行った。 この結果、健常成人35例中リスク遺伝子ホモ接合体例31.4%((11)/(35)例)、サルコイドーシス症例群38症例中リスク遺伝子ホモ接合体例34.2%((13)/(38)例)であり、有意差は認めず、本検討結果では、少なくても本邦においては、BTNL2遺伝子多型が宿主因子として作用しているという結果は得られなかった。また臨床病態との関連性に関しては、サルコイドーシス症例においてBTNL2リスク遺伝子多型と関連している因子として、(1)男性(リスク遺伝子群(12)/(29)例、非リスク遺伝子群2/6例 ; p=0.0000972)、(2)肺野病変なし(リスク遺伝子群(16)/(28)例、非リスク遺伝子群4/6例 ; p=0.000068)、(3)眼病変あり(リスク遺伝子群(15)/(29)例、非リスク遺伝子群2/6例 ; p=0.0000826)、(4) 経過中ステロイド治療を要した(リスク遺伝子群7/(23)例、非リスク遺伝子群1/3例 ; p=0.0002523)と強い相関を示した。 ここに本研究は、本邦において肺サルコイドーシスとBTNL2遺伝子多型の関連性に関する、初めての検討成績であり、また一部のサルコイドーシスの臨床病態とBTNL2遺伝子多型の関連性を示した初めての検討成績でもあるため、可及的速やかに英文誌に投稿する予定である。
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