研究課題/領域番号 |
19659215
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター) |
研究代表者 |
山本 一博 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), その他部局等, 講師 (50245437)
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研究分担者 |
石井 豊太 北里大学, 医学部, 講師 (10159668)
塩原 教之 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (80393023)
鈴木 隆二 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 診断・治療研究部, 部長 (70373470)
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キーワード | 呼吸器病学 / 免疫学 / 遺伝子 |
研究概要 |
慢性副鼻腔炎の病因・病態解析において、獲得免疫系の主体であるT細胞の反応様式を主眼に全TCR遺伝子を同一条件で増幅し、生体内の発現頻度をそのまま反映させた Adaptor-Ligation-PCR法に基づく新規TCRレパトア解析法を施行した。慢性副鼻腔炎に罹患した上顎洞粘膜よりTotal RNAを抽出後、cDNAを合成し、Adaptorを付加する。酵素処理によりAdaptor付加cDNAを適当な形にし、AdaptorおよびTCR定常領域にそれぞれ相補的なオリゴDNAをプライマーセットとして用いてnested PCRを行い、全てのTCRをコードする遺伝子を同一条件下で特異的に増幅する。得られたPCR産物を全てのTCRAVファミリーおよび全てのTCRBVファミリーにそれぞれ相補的なオリゴDNA固層化したマイクロプレートに播種してハイブリダイゼーションを行った後、酵素反応を用いて発色させ吸光度を測定、得られた吸光度から各TCRVファミリーの相対存在率を算出(TCRレパトア解析)した。結果、TCRレパトアは患者個人によって、発現頻度が有意に高い(偏り)TCRサブファミリーはそれぞれ異なっていた。さらに、その特定のTCRを有するT細胞の偏りをもたらす抗原を同定するため、CDR3 size spectratypingを実施し、TCRの抗原認識部位(CDR3)のアミノ酸配列を決定したところ、全ての検体で単クローナルまたはオリゴクローナルな偏りを認めた。以上のことから、抗原特異的な免疫応答が示唆された。
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