研究課題/領域番号 |
19659255
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
吉田 裕樹 佐賀大学, 医学部, 教授 (40260715)
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研究分担者 |
中島 衡 福岡大学, 医学部, 准教授 (70188960)
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キーワード | IL-27 / IL-17 / Th17 / 糸球体腎炎 / 自己免疫病 / 遅延型過敏反応 / ヘルパーT細胞 / サイトカイン |
研究概要 |
全身性ループスエリテマトーデス(SLE)は、自己免疫病の一つで特に自己免疫性糸球体腎炎は、患者のQOLを下げる合併症の一つである。SLEは通常Th1型の免疫反応を伴うことが多いが、一部の患者では、Th2型の免疫反応を伴い異なる糸球体腎炎の組織像を示すこともある。近年、Th17と呼ばれ、主としてIL-17を産生する新しいヘルパー細胞集団が同定され、炎症性疾患に深く関わることが明らかにされた。SLEやSLEに伴う糸球体腎炎発症におけるTh17やIL-17の役割は明らかになっていない。このため、SLEに類似した自己免疫病態を呈するMRL/lprマウスにおいてIL-17を欠損させ、その病態の解析を開始した。現在、MRL/lpr系統への戻し交配が進行中であり、まだ腎組織像や生存率の解析には至っていない。また、IL-17のみならずTh17の関与を検討するため、Th17の分化に障害を持つIL-23欠損マウスとの交配を開始した。 一方、MRL/lprの遺伝的背景を持ちIL-27受容体を強く発現するトランスジェニックマウスにおいては、野生型マウスにおいて認められる糸球体腎炎の発症もほとんど認められず、生存率の著しい改善を認めた。一方で、IL-27のサブユニットの一つであるEBI-3を欠損するマウスにおいては、受容体欠損マウスと同様にTh1が田自己免疫反応の低下とともに膜性腎炎を発症した。これらのことは、IL-27が、Th1反応を誘導する作用とともに、免疫を抑制する作用を持つことを新たためて示している。このことは、IL-27の持つ作用が、SLEなどの自己免疫疾患の病態形成に深く関わっていること、およびその免疫抑制作用が、自己免疫疾患などの治療に応用可能であることを示している。
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