平成20年度は<調査法1>の健常児の作品についてまとめた。 方法)健常児の幼児の造形表現の特徴と空間認知を把握するために、可塑性のある粘土を渡し「自由につくるよう」指示し、制作後「何をつくったのか」質問をした。 材料)粘土、マッチ、粘土ベラ、粘土板 対象者)千葉県流山市立保育所に通う、3歳から6歳までの、のべ502名。 調査年月)2007年9月〜2008年2月。 調査時間)約45分〜60分。幼児自身が完成した、と判断したところで終了した。 場所)各保育所にてクラスごとに行った。 結果)(1)マッチを用いた作品は「ケーキ」「おだんご」などが男児女児に共通していたが、形態や使い方には性差がうかがえた。(2)モチーフには性差がみられ、女児の装飾性、男児の乗り物など描画表現にも通じる。(3)作品の個数からは男児の少なくダイナミックな表現の傾向が、女児は細かく多くの主題を表現する傾向がみられた。 ターナー症候群女児、先天性副腎過形成症女児については、8月〜12月に個別に同様の調査を実施し、計3名の作品収集を行った。今後の課題として、調査対象者数を増やし、同様の調査、分析を実施し、健常児の男児、女児の調査結果と比較検討を行い、胎生期の性ホルモンの作用の差が空間認知などの脳機能に影響しているか明らかにしていきたい。
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