研究概要 |
ミトコンドリアマトリックスに存在する電子伝達系酵素複合体は,ミトコンドリアDNAと,核DNAの両支配を受けている。一方ミトコンドリアDNAは,核DNAに比較して,塩基置換のスピードが10倍高く,個々の個体間で少なくとも50個以上の塩基置換を持つ。Blue-nativegelによる分子集合状態を基本とした解析は,電子伝達系酵素の分子集合状態を解明する点で,ミトコンドリアDNAと核DNAの塩基置換を含めたシナジー効果を解明する上で有用である。われわれは,由来の異なるミトコンドリアtRNAのA3243G変異を有する患者由来の細胞モデル(ρ^0システム)を確立した。このRRFを来しうる遺伝子異常をもつ細胞モデルは,A3243Gを有する以外,他のミトコンドリアDNAの塩基置換を64か所で確認でした。この2つの異なる細胞モデル(ρ^0システム)で,共通の核DNAに対して,どのような酵素活性を持つのか,また,分子集合状態でのタンパクレベルで,どのような違いを来すのかを検証することが,本研究の目的である。
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