研究分担者 |
須田 史朗 浜松医科大学, 医学部, 助教 (40432207)
松崎 秀夫 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授 (00334970)
土屋 賢治 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (20362189)
杉原 玄一 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (70402261)
竹林 淳和 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (50397428)
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研究概要 |
神経性無食欲症では極度の低栄養状態,食行動異常(不食,偏食など),肥満恐怖,身体感覚の異常,抑うつ,強迫症状などが臨床上認められる。最近,この疾患患者での炎症性サイトカインの分泌亢進が示され,食欲抑制との関連が注目されていることから,炎症性サイトカインの抑制作用を持つエイコサペンタエン酸(EPA)のこれらの症状への効果を検証する。予備的な調査結果では神経性無食欲症患者におけるEPAの脂肪酸重量%は平均0.64%であり健常者の平均(0.9%)よりも低値であった。このことは神経性無食欲症患者では偏食による脂質の摂取不足があり,既にEPAの欠乏状態にあることを示している。また,抑うつ評価尺度(Ham-D)では25/52と中等度の抑うつ状態を呈していた。本研究では,二重盲検法のデザイン下にEPAまたはプラセボを40名の患者に任意に振り分けて12週間継続投与し,臨床症状評価(EDI,EAT,Ham-D,Y-BOCS),末梢血中のサイトカイン(IL-1β,IL-6,TNFα,TGF-β)および食欲調節ペプチド(レプチン、グレリン)の濃度測定を開始時と終了時に実施する。同時に頭部MRIを施行し,脳の形態学的領域別の容積の変化を測定する。得られた結果から,EPAの臨床効果を判定し,さらに臨床効果とサイトカイン濃度の変化および脳の局所の容積変化との関連を検証する。現在,東洋カプセル株式会社よりEPAおよびプラセボ製剤の提供を受けデータの取得を続けている。
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