研究課題/領域番号 |
19659294
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
松井 宏晃 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90181685)
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研究分担者 |
廣井 朋子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (20238398)
長谷川 浩 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (80288183)
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キーワード | アルツハイマー病 / βアミロイド蛋白質前駆体遺伝子 / 選択的スプライシング / エクソンスキッピング / エクソンスプライシング促進配列 / エクソンスプライシング抑制配列 / モルフォリノオリゴヌクレオチド |
研究概要 |
本研究では、Aβ構成アミノ酸の約70%をコードするAβ前駆体(APP)遺伝子エクソン17に着目し、APP遺伝子スプライシング機構を制御し、エクソン17をスキップさせ(破断)、最終的にAβ生成を抑制する方法を確立する。APP遺伝子エクソン16+splicing donor(SD)配列、エクソン17+SDおよびacceptor(SA)配列、エクソン18+SA配列領域をPCR法にて増幅後pCMV-Scriptに挿入し、ミニジーン(pCMV-Ex16-18)を構築した。pCMV-Ex16-18をヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞に形質導入し、G418選択法にてミニジーン安定発現株(APP9)を得た。オンラインプログラムESEfinderおよびRESCUE-ESEを用い、エクソン17選択的スプライシングに関わる8領域を選別し、同領域に対す対するモルフォリノアンチセンスオリゴ(M-AO(25〜35nt))、SD17(+169/+146)、SS17(+136/+160)、SS16(-12/+13)、BP16(-37/-13)、ESE1(-3/+22)、ESE2(+18/+42)、ESE3(+36/+60)、ESE4(+97/+122)を合成した。M-AOは、培養細胞膜への機械的刺激によるscrape-loading法および化学的導入法(Endoporter試薬)により行い、RT-PCR解析により、エクソン17がスキップされた転写物とエクソン17が保持された転写物の量比を求めた。その結果、いずれのMOも単独ではエクソン17破断を起こさなかったが、SD17とSS16あるいはSS17とSS16を共に導入した場合、エクソン17破断が認められ、エクソン17スプライシング機構制御により、Aβ産生を抑制可能であることが示唆された。
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