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2008 年度 実績報告書

早期に臨床応用が可能な放射線増感剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19659313
研究機関札幌医科大学

研究代表者

晴山 雅人  札幌医科大学, 医学部, 教授 (10173098)

研究分担者 高木 克  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10404716)
キーワード放射線増感 / 放射線感受性 / 放射線治療
研究概要

【目的】抗癌剤TS-1の1成分であるギメラシルは放射線の増感効果を有することが推察されている。ギメラシルによるDNA二重鎖切断修復に及ぼす影響を明らかにする。
【方法】(1) DLD-1細胞(ヒト大腸癌細胞)、HeLa細胞(ヒト子宮頸癌細胞)を含む8種の細胞にてギメラシルの放射線増感効果をColony assay法を用いて検討した。(2)2種類の薬剤(Nocodazole、Thymidine)を用いて、G2/M期、S期、G0/G1期の3つの細胞周期にDLD-1細胞を同期させ、放射線増感効果が各細胞周期にてどのように異なるかを検討した。(3) DNA二重鎖切断の2つの修復経路の一方である非相同末端結合(NHEJ)を保持する細胞と欠損する細胞3組6種類の細胞を用い、Colony assay法を施行し、ギメラシルの放射線増感効果を調べた。(4)相同組み替え修復に障害のある細胞を用いてギメラシルの放射線増感効果を検討した。
【結果】(1)8種の細胞すべてに於いてギメラシルの放射線増感効果が認められ、また全ての細胞において毒性は認められなかった。200から1000μMの濃度間で増感作用の上昇を認め、1000μMにてプラトーに達した。(2) S期において最もギメラシルの放射線増感効果が高かった。(3) DNA-PKcsを欠損し、非相同末端結合修復に障害のある細胞において強い放射線増感効果が認められた。(4)相同組み替え修復に障害のある細胞ではギメラシルの放射線増感効果は認められなかった。
【結論】ギメラシルの放射線増感効果は、DNA二重鎖切断の相同組換え修復の阻害によるものと考えられる。また、ギメラシルの放射線増感効果が、細胞周期の中で一番放射線抵抗性であるS期で、もっとも効果が大きくみられ、臨床での有用性を示唆する。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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