本年度は小動物専用SPECT/CT装置を利用して、従来の核医学手法では不可能であった分子プローブのマウス腫瘍内における空間的局在のin vivo可視化の検討を中心に、高い空間分解能をもつ核医学イメージング法の研究開発を進めた。 この目的のためには標的組織に極めて高濃度に放射活性を集積させる必要があると考えられたことから、最初の試みとして腫瘍集積性をもつリポソームに111Inを大量に封入する方法を検討し、錯交換反応を利用したactive loading法を応用してこれに成功した。この高比放射能リポソームをSarcoma180担がんマウスに投与してSPECT画像を得たところ、リポソームは高率に腫瘍に集積するが、その分布は一様ではなく、腫瘍の辺縁部を中心に不均一に分布していることがin vivo画像として初めて示された。摘出腫瘍のex vivo ARGはin vivo SPECT画像の所見と良好な一致を示し、in vivo SPECT画像の良好な空間分解能を裏付けた。またこれらの検討において小動物in vivo核医学イメージングのために必要な分子プローブの標的指向性や比放射能などの目安を得ることができた。 本年度の研究により、リポソームに限らず放射性医薬品を高比放射能で標識する技術を確立することで、高分解能小動物用SPECT/CT装置の特長を生かしてマウス腫瘍や脳、心臓などの機能を極めて高い空間分解能をもってin vivo画像化できることを示すことができた。がんや脳疾患の機序解明に有用であると同時に小動物で得られた知見を臨床へ応用するためにも役立つものと期待する。
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