研究課題/領域番号 |
19659317
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
尾崎 倫孝 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任教授 (80256510)
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研究分担者 |
小澤 岳昌 分子科学研究所, 分子構造研究系, 准教授 (40302806)
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キーワード | 生体イメージング / アポトーシス / カスパーゼ活性 / ルシフェラーゼ / 分子機能 / レドックス |
研究概要 |
臓器あるいは腫瘍の病態を把握する新たな方法として、あるいは腫瘍自体あるいは臓器の生物学的・質的診断(生体分子機能評価による予後判定、治療効果判定など)、分子標的治療によるターゲット分子機能の生体内における評価法の確立することが望まれている。そのためには、臓器内・生体内の細胞機能を評価する必要があり、にこれまでとは異なる理論による新たな分子機能プローブを開発する。本研究はluciferaseを利用した分子機能プローブを新たに開発し、生体イメージングへの応用を試みる。 1)Caspase-3の基質(DEVD)を利用してluciferaseを環状化しluciferase自体にdistortionを起こさせ一時的に不活化する。細胞あるいは組織内でCaspase-3が活性化されるとDEVDが切断されることにより、circular luciferaseのdistortionは開放され活性化型となる。このデザインによるCaspase-3機能プローブを作成した。また、レドックス感受性GFPプローブ(roGFPプローブ)をデザイン・作成した。 2)肝細胞株(AML12)にたいしてtransient transfectionし、種々のストレスにたいするCaspase-3プローブ、roGFPプローブの感受性を検討した。 a)Staurosporinにより誘導されるアポトーシス反応での検証(Hela細胞、AML12細胞) b)FasL-Fas刺激により誘導されるアポトーシス反応での検証(AML12細胞) c)低酸素・再酸素化による細胞障害モデルでの検証(AML12細胞) 3)このプローブのデザインが細胞内で機能することを確認した後に、マウス生体イメージングに向けてベクターに組み込んだ。マウス肝臓での検討のために、ベクターをreplication-deficientのアデノウィルスベクターとして、相同組み換えによりCaspase-3プローブ、roGFPプローブをベクターに組み込んだ。 これまでの検討により、これらのプローブが生細胞内で機能することが示され、生体イメージングに使用できる可能性が示された。今後、マウス疾患モデル(肝炎など)にもちいて生体における本プローブの有用性を検討する予定である。
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