研究課題/領域番号 |
19659340
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60263084)
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研究分担者 |
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 教授 (40252449)
安近 健太郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (00378895)
小西 小百合 京都大学, 医学研究科, 医員 (10512345)
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キーワード | 癌幹細胞 / 肝細胞癌 / 胆管細胞癌 / 肝幹細胞 |
研究概要 |
1) 肝幹細胞の特性解析と肝細胞株および肝癌切除標本との特性比較解析 我々がこれまでに確立した浮遊培養法を利用して肝前駆細胞・幹細胞分画を分離したうえで、肝前駆・幹細胞分画と成熟肝細胞分画とのサブトラクション解析により肝幹細胞特異的表面抗原候補を6個に絞りこんだ。この表面抗原データをもとに、胎仔肝前駆・幹細胞に対する表面抗原プロファイルを作成したうえで、肝前駆・幹細胞分画の分離直後から培養過程での各段階でRT-PCR及び免疫染色にて遺伝子、蛋白の発現とその変化を検討した。さらに、フローサイトメーターを用いてcell sortingを行い、癌関連遺伝子やepigenetic modulationに関与する遺伝子などの発現状態をRT-PCRなどで検証中である。この検証結果をマウス肝細胞株およびヒト肝癌細胞株(Huh-7、HepG2など)とも比較解析を行っている。一方、京都大学外科学教室において集積されている肝癌切除標本に対して、肝幹細胞表面抗原の発現を免疫染色法により検証する予定であったが、同定中の肝幹細胞特異的表面抗原の中には特異的抗体作製が困難なものもあり、十分なデータ集積に至っていない。 2) 手術検体からの肝癌幹細胞分離 ヒト肝細胞癌手術検体よりフローサイトメーターを用いて肝細胞癌幹細胞の単離が可能であれば、癌幹細胞とそれ以外の癌細胞との間で、RT-PCRや免疫染色、Western Blotting法などで上記の癌関連遺伝子やpolycomb遺伝子などの発現比較を行うほか、Brd-U uptakeや3H-thymidine uptakeにより癌幹細胞とそれ以外の癌細胞との間で増殖能の比較解析も行う予定であったが、肝細胞癌発症の背景肝が硬変肝であることが多く、組織線維化および細胞外マトリックスの豊富さから細胞分離が困難であり、有効なデータ収集に至らなかった。
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