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2008 年度 実績報告書

ドキソルビシン・リポソームの対流強化輸送法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19659358
研究機関東北大学

研究代表者

隈部 俊宏  東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10250747)

研究分担者 金森 政之  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60420022)
キーワード脳腫瘍学 / 化学療法
研究概要

抗癌活性を持つ薬剤の脳内局所投与の臨床応用にあたって、「投与薬剤の脳内における分布の把握」および「霊長類における投与薬剤の最大耐用量の把握」は重要な課題である。本年度も昨年度より引き続きドキソルビシン含有高分子ミセルおよびガドリニウム含有高分子ミセルを用いて、脳内の薬剤分布の解析および脳毒性の解析を行った。(1) 脳内薬剤分布の解析 : 正常カニクイザルの脳内にCED法によりドキソルビシン含有高分子ミセルを投与し、投与量(Volume of infusion : Vi)に対する分布容積(Volume of distribution : Vd)の関係を解析した。薬剤分布はガドリニウム含有高分子ミセルを混じることでMRIを用いて薬剤注入と同時にリアルタイムで行った。前年度の結果と同様、Viと直線的な比例関係のVdが得られ、追加して行った3回の薬剤注入によって算出されるVd/Vi ratioは3.27(range 2.45-4.03)であった。この結果により薬剤注入量によって薬剤分布がある程度制御可能であることが明らかとなった。(2) 脳毒性の解析 : 本年度は薬剤分布のマーカーとして用いるガドリニウム含有高分子ミセルの毒性を主に解析した。前述の脳内薬剤分布の解析と同様に正常カニクイザルの脳内にCED法により1mMガドリニウム含有高分子ミセルを投与し、その後、カニクイザルの神経学的異常の有無・体重減少の有無等の観察を行った。薬剤注入の2週間後および半年後に安楽死させ病理組織学的な脳毒性の解析を行った。病理切片はHE染色の他にGFAP、NFP、S-100、およびKB染色を行い評価した。結果、経過観察中にガドリニウム含有高分子ミセルを投与されたカニクイザルは神経脱落症状や体重減少なく経過し、病理組織学的に異常所見は呈さなかった。この結果によりガドリニウム含有高分子ミセルによって安全に薬剤分布のモニタリングが可能となり、高分子ミセル抗癌剤の薬剤分布モニタリングに応用できる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 正常カニクイザル脳内にconvection-enhanced delivery法により投与されたガドリニウムミセルのMRIによるりアルタイムモニタリング2008

    • 著者名/発表者名
      山下洋二
    • 学会等名
      第67回日本脳神経外科学会
    • 発表場所
      盛岡グランドホテル
    • 年月日
      2008-10-02

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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