研究課題/領域番号 |
19659368
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
栗栖 薫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科(医), 教授 (70201473)
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研究分担者 |
江口 国輝 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科(医), 講師 (40274071)
弓削 類 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (20263676)
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キーワード | 人工微小重力 / 脊髄損傷 / 神経再生 / 細胞移植 / アポトーシス |
研究概要 |
人工微小重力におけるラット骨髄細胞培養 <方法>5週齢Fisherラットより採取した骨髄細胞を、10%血清を添加したDMEM培地で接着培養させたものを使用した。神経分化培地に変更した後、微小重力環境で7日間培養。対照は通常重力下で培養したものとした。 <結果>微小重力環境では接着細胞が減少した。分化誘導後のnestin発現は0.5-1.4%と差を認めなかった。分化誘導後、通常重力ではGFAPの発現がなかったが、微小重力では1.2%の発現を確認した。 <考察>OCT-4などの未分化マーカーの発現を評価し、微小重力により未分化が保たれているのかどうか、詳細な検討が必要である。 脊髄損傷モデルに対する細胞移植 <方法>上記細胞で、神経分化誘導処理前のものを使用した。移植細胞は、PKH-26で標識し、損傷部位への生着を評価した。 Weight drop methodを用いて脊髄損傷モデルラットを作成。細胞移植時期は受傷直後とした。 経静脈的に培養細胞を移植した群と、生理的食塩水を静脈注射した群で運動機能、アポトーシス関連因子の発現を比較した。 <結果>移植細胞(PKH-26陽性細胞)が脊髄損傷部位に到着し、生着していることを確認した。 BBB score、inclined plane testを使用した運動機能評価は、いずれも移植群で有意な機能改善を示した。 移植群において、アポトーシス促進因子であるBaxの発現低下、アポトーシス抑制因子であるBcl-2の発現亢進を確認した。 <考察>運動機能改善は、アポトーシス関連因子の発現パターンから、細胞移植に伴う神経保護作用が関与しているものと推察される。 平成20年度は、人工微小重力下で培養した骨髄細胞を移植する予定である。
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