ZSCANCによる転写活性化領域はSOX6及びII型コラーゲンの近位プロモーター内に存在することが明らかになったが、結合モチーフの同定にはいたらなかった。GFP融合蛋白を用いた系でZSCANCは核移行シグナル依存性に核に局在すること、またGAL4のDNA結合ドメインとの融合蛋白を用いたルシフェラーゼ・レポーターアッセイを用いた系でN末端側に転写活性化ドメインが存在することが明らかになった。 ZSCANCの共役転写因子のうちGATA5はSOX6の近位プロモーター内のエンハンサー配列CES6に結合することで協調作用を示すことが分かった。SOX6やII型コラーゲンプロモーターによるルシフェラーゼアッセイによる解析でZSCANCはPTHrP-Gs-PKAシグナル、BMP-TAK1-p38MAPKシグナルと協調的に作用し転写を活性化することが明らかになった。 レトロウィルスベクター及びレンチウィルスを用いたRNAiの系によりZSCANCを恒常的にノックダウンしたATDC5を作成した。 免疫染色ではZSCANCは未分化軟骨細胞から後期肥大軟骨細胞まで発生肢の軟骨細胞に一様に発現し、その発現パターンは共役転写因子であるC/EBPbやGATA5と一致していた。一方、成体の臓器・組織別の発現ではいずれの組織でも発現は弱く、発生時に重要な役割を果たす転写因子であると考えられた。ZSCANCのin vivoの機能を検証するため、遺伝子ターゲティングベクターを作成した。
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