研究課題/領域番号 |
19659395
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
廣田 和美 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20238413)
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研究分担者 |
工藤 美穗子 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30003411)
櫛方 哲也 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (80250603)
吉田 仁 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (00374843)
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キーワード | ウロテンシンII / 神経伝達物質 / 大脳皮質 / ラット / 細胞内Ca / UT受容体 / HEK293-UII細胞 / 麻酔 |
研究概要 |
ラット大脳皮質標本でのウロテンシンII(UII)のノルアドレナリン(NA)放出に対する静脈麻酔薬であるベンゾジアゼピンのミダゾラム、ジアゼパム、フルニトラゼパムの抑制効果を検討した。各ベンゾジアゼピンは、濃度依存的にUII誘発性ノルアドレナリン放出を抑制し、IC_<50>はミダゾラム0.32μM、ジアゼパム187μM、フルニトラゼパム40μMであった。また、最大抑制度は、ミダゾラム48.6%、ジアゼパム66.7%、フルニトラゼパム38.0%であった。つまり、臨床濃度で有意な抑制を来たすのはミダゾラムだけであり、抑制度も強力とは言え無かった。次に、ミダゾラムに関してこの反応が、UT受容体またはGABA_A受容体のベンゾジアゼピン結合部位を介するものかどうかを検討した。HEK293-rUT細胞を用いた検討では、UIIによる細胞内Ca濃度上昇を、ミダゾラムは全く抑制しなかった。しかい大脳皮質スライス標本でのUII誘発性ノルアドレナリン放出のミダゾラムによる抑制は、フルマゼニルにより部分的に抑制された。よってこの反応は、UT受容体を介さず、GABA_A受容体のベンゾジアゼピン結合部位を、一部介する反応であることがわかった。実際のミダゾラムによる麻酔時間を、UIIを脳室内に投与して変化するかどうか検討した。しかし、UIIによりミダゾラムによる麻酔時間は有意には短縮せず、UIIは覚醒を促す生理活性物質ではあるものの、全身麻酔時間を短縮するほど強い生理活性物質ではないことが分った。
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