研究課題/領域番号 |
19659410
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
秋野 裕信 福井大学, 医学部, 准教授 (90159335)
|
研究分担者 |
横山 修 福井大学, 医学部, 教授 (90242552)
棚瀬 和弥 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (00359720)
三輪 吉司 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (10209968)
前川 正信 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (50362041)
|
キーワード | 神経ステロイド / dehydroepiandrosterone / 過活動膀胱 / 動物実験 |
研究概要 |
本研究は過活動膀胱(overactive bladder syndrome:OAB)に対する神経ステロイド dehydroepiandrosterone:DHEAの関与を基礎的に検討し、加齢に伴う過活動膀胱発生のメカニズムを神経内分泌学的に、さらには分子生物学的に解明するものである 両側副腎を摘除した雄性SDラットにdeoxycorticosterone acetate(DOCA)5mg/kg/day皮下投与によるホルモン補充を行なったDHEA欠乏雄性SDラットを用いて、DHEA補充(皮下投与)の排尿量に対する影響に関して代謝ケージを用いて検討した。DHEA補充ラットとDHEA非補充ラットの一回排尿量に有意差を認め、DHEA補充による一回排尿量の増加を認めた。 DHEAは中枢神経系に作用して、一回排尿量を増加させたか否かを検討する目的で、DHEA欠乏雄性SDラットにおけるDHEA脳室内投与の影響について検討した。DHEA欠乏雄性SDラットにDHEA脳室内投与し、覚醒下に膀胱内圧測定を行った。その結果、DHEA脳室内投与は膀胱収縮を障害することなく有意に膀胱容量を増加させた。しかし、その効果は2相性で、低用量で膀胱容量は増加し、高用量で膀胱容量は減少した。 これらの結果はDHEAが中枢神経系で神経ステロイドとして作用し、膀胱機能に関与していることを示した。そして、DHEAが一定量までは中枢神経系のドパミンのD1受容体を介し排尿反射を抑制し、高用量ではD2受容体を介し排尿反射促進を誘導させたものと考えられた。
|