研究分担者 |
鵜川 眞也 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (20326135)
植田 高史 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90244540)
島田 昌一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20216063)
田中 克幸 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (90381839)
梶田 健二 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (80381820)
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研究概要 |
味覚には甘味・苦味・酸味・塩味・うま味の5つしかなく、この5つの組み合わせですべての食物の味を知覚・認識していると考えられている。しかし一般に温かい食事はおいしいが、冷めてしまえばおいしくないというように温度が味覚に影響を与えている可能性があるが、この温度の違いによる味覚の変化については科学的にはほとんどわかっていない。近年、温度センサーとも言える温度感受性TRPが次々と同定され、我々の予備実験ではこのTRPが味覚経路に存在する証拠を得た。すなわち我々はこのTRPが温度で活性化して味覚を変化させると仮説をたてた。 本研究「温度感受性TRPが味覚に及ぼす影響の解析」はこうして開始された。現在も研究は進行中であるが、これまでの成果を報告する。 1.マウス膝神経節における温度感受性TRP蛋白の発現の検討 免疫染色ではTRPV1,V2が膝神経節で発現していると考えられた。TRPM8,A1に関しては現在も適切な抗体を探している。 2.RT-PCR法によるマウス膝神経節における温度感受性TRP mRNAの発現の検討 TRPV1,TRPV2,TRPM8,TRPA1以上4つの陽性バンドが検出された。 3.in situ hybridization法によるマウス膝神経節における温度感受性TRP mRNAの発現の検討 我々が各々のTRPに特異的なプローブを用いて検討した結果、TRPV1,V2が発現していると考えられた。 4.舌温度刺激による鼓索神経応答の電気生理学的検討 鼓索神経whole nerve recordingでは、42℃、10℃では舌の表面温度である25℃よりも活性が抑制された。 これらの結果から高温または低温下では味覚はむしろ抑制されると予想された。 以上、ほぼ申請した研究計画調書のとおりに進行している。
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