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2007 年度 実績報告書

視神経再生分子を用いた損傷網膜神経節細胞の軸索再伸長

研究課題

研究課題/領域番号 19659447
研究機関金沢大学

研究代表者

加藤 聖  金沢大学, 医学系研究科, 教授 (10019614)

研究分担者 谷井 秀治  金沢大学, 医学系研究科, 准教授 (90110618)
杉谷 加代  金沢大学, 医学系研究科, 助教 (20162258)
キーワード視神経再生 / 金魚 / ラット / 網膜神経節細胞 / アポトーシス / IGF-1 / TG / 軸索伸長
研究概要

魚類の視神経は軸索損傷を受けても再伸長し,視覚機能も完全に回復する。一方,哺乳類では視神経を損傷するとその細胞体である網膜神経節細胞(RGCs)はアポトーシスに陥り変性脱落する。本研究ではこの両種間の違いに着目し,i)神経損傷後のRGCsの細胞死、生存に関する分子の挙動,ii)金魚で見つかった神経再生分子の検索,iii)その再生分子のラット視神経損傷モデルに対する添加効果の3点について研究を行った。
[結果] 細胞死、生存シグナルについては視神経を傷害するとラットRGCsではIGF-Iが減少→リン酸化Aktの減少→Baxの増加→カスパーゼ3の活性増加という流れが明らかとなった。一方,金魚RGCsでは,視神経損傷後,IGF-Iの増加→リン酸化Aktの増加→Bc12の増加→カスパーゼ3の活性減少という流れが判明した。
ii)の金魚における視神経再生時に増加する因子として,先述のIGF-I,プルプリン,Na,K-ATPase α 3サブユニット,トランスグルタミネース(TG),一酸化窒素合酵素(NOS)が損傷後プルプリンを除いて(これは視細胞で増加),RGCsに増加することが判明した。
iii)として,上記再生分子のうち,IGF-IとTGのリコンビナント蛋白を成熟ラット網膜切片培養下に添加したところ,明らかにRGCsからの神経突起の誘導が観察された。
以上の結果から,金魚とラットの視神経損傷後の分子の挙動において,インシュリン様成長因子-I(IGF-I)が最も速く,金魚で増加し,ラットで減少することより,このIGF-Iが一方を再生に導き,他方をアポトーシスに導く重要な分子と考えられた。また,IGF-IやTGが金魚のみならず成熟ラット網膜の神経突起伸長を促進したことより,哺乳類の中枢神経再生に有効な分子であると位置づけられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Purpurin expression in the zebrafish retina during early development and after optic nerve lesion in adults2007

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, M.
    • 雑誌名

      Brain Res. 1153

      ページ: 34-42

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Upregulation of IGF-I in the goldfish retinal ganglion cells during the early stage of optic nerve reeeneration2007

    • 著者名/発表者名
      Koriyama, Y.
    • 雑誌名

      Neurochemistry International 50

      ページ: 749-756

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Early downregulation of IGF-I decides the fate of rat retinal ganglion ce玉ls after optic nerve injury2007

    • 著者名/発表者名
      Homma, K.
    • 雑誌名

      Neurochemistry International 50

      ページ: 741-748

    • 査読あり
  • [学会発表] ゼブラフィッシュ網膜発生においてプルプリンは細胞分化を制御する2008

    • 著者名/発表者名
      永島 幹子
    • 学会等名
      第85回日本生理学会大会
    • 発表場所
      京王プラザホテル
    • 年月日
      2008-03-25
  • [備考]

    • URL

      http://web.kanazawa-u.ac.jp/%7Emed36/report.html

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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