研究課題/領域番号 |
19659451
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
毛利 聡 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00294413)
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研究分担者 |
成瀬 恵治 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40252233)
片野坂 友紀 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60432639)
宮坂 武寛 姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (60308195)
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キーワード | 未熟児網膜症 / ヘモグロビン / 酸素親和度 / 血管新生 |
研究概要 |
未熟児網膜症は低体重出生児への過剰な酸素投与を中止した際に網膜の相対的低酸素状態が惹起され、病的な血管新生によって起こる網膜剥離が原因とされる。酸素運搬体であるヘモグロビンは生後胎児型(高酸素親和度)から成人型に変化酸素を容易に放出する成人型に変換されていくが、この変換が進んでいる症例では末梢組織(網膜)での酸素放出量が多く、酸素中止時の相対的低酸素が顕著になり未熟児網膜症を発症し易いという仮説を検証するために高速液体クロマトグラフィーを用いてカラムや溶離液の作成、グラディエント条件を検討して計測システムを構成した。また、赤血球の特性としてヘモグロビンによる一酸化窒素(NO)の結合や酸化による微小循環制御の解明のため、NO標準液を溶解させた生理食塩水(NO:190nM)50mlにヘパリンによる抗凝固を施した全血を0.3ml懸濁させてNO濃度の変化をNOセンサを用いて計測した。この実験系では成人型ヘモグロビンを含む赤血球が190nMのNOを90%減少させた。胎児型ヘモグロビン比率の計測には、赤血球による陽イオン交換カラムを用いて検出波長は415nm、流量は2ml/minとして、新生児の臨床検査のために採血した血液の廃棄分を用いて計測した。測定方法の妥当性を確認するために出生後週齢と胎児型ヘモグロビン比率について検討し、ロジスティック関数によるカーブフィティングから約8週齢で50%が成人型に変換されていた。今後これらの確立された実験系を用いて未熟児網膜症症例との関連を検討するとともに、胎児ヘモグロビン比率とNOの関係を検討する。
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