| 研究概要 |
同種培養細胞含有創傷被覆材の作製と真空乾燥処理は昨年度に確立した方法と同様の方法で行った。昨年度は含有させる同種培養細胞として線維芽細胞単独の場合と線維芽細胞と表皮細胞を混合した場合について放出される細胞増殖因子について定量したが、今年度は表皮細胞単独の場合に放出される細胞増殖因子を定量した。また、それぞれの群について組織学的に検討を行った。
「結果」
細胞増殖因子としてbFGF, VEGF, TGF-βを定量した。その結果表皮細胞単独群の凍結保存群と真空凍結乾燥群のそれぞれの放出量は下記の如くであった。
[table]
昨年度の結果と総合すると、bFGFに関しては線維芽細胞単独群の真空凍結乾燥を施した群で有意に多く放出され、VEGFに関しては線維芽細胞に表皮細胞を混合した群で有意に多かった。表皮細胞混合群では凍結保存群、真空凍結乾燥具いずれでも多量のVEGFが放出された。また、それぞれの条件で作製した細胞含有被覆材をホルマリン固定を行ってH-E染色を施して光学顕微鏡下に観察したところ、真空凍結乾燥を施しても細胞形態を保持していることが明らかとなった。
|
