研究課題/領域番号 |
19659486
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大谷 啓一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10126211)
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研究分担者 |
青木 和広 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40272603)
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キーワード | RANK / RANK / 破骨細胞 / NF-kB / Aly / Alyマウス / 大理石骨病 / NF-kB inducing kinase / 炎症性骨吸収治療薬 |
研究概要 |
炎症と骨吸収を抑制する効果を持つ薬物、すなわち炎毎性骨吸収治療薬が開発を目的として以下の研究を行った。RANK/RANKL情報伝達システムは破骨細胞増殖・分化機構のキーファクターであり、この系を標的とした薬物開発が積極的に行われている。最近RANK/RANKL情報伝達経路において、従来のNF-kB1(p50/p65)が核移行する古典的シグナル伝達経路以外にNF-kB2(P100/P52)/RelB複合体が転写活性を担う非古典的(オルタネイティブ)シグナル伝達経路が破骨細胞に存在することが明らかとなった。そこで初年度の実験として実際にこのオルタネイティブ・シグナル伝達経路が破骨細胞形成・機能に重要であるか否かを検討する目的で、NF-kB inducing kinase(NIK)に突然変異を起こしたAly/Alyマウスを用いてフェノタイプ解析を行った。その結果、Aly/Alyマウスでは骨量の増加が認められ軽度の大理石骨病様の病態を示した。破骨細胞数の減少も認あられ、NIKの異常が骨吸収抑制を引き起こすことが確認された。骨形成能力を表す石灰化速度に変化は認められなかった。またin vitroの破骨細胞形成もAly/Alyマウス骨髄細胞を用いた場合に減少することが認められた。同時に破骨細胞様細胞の持つ骨吸収窩形成能力も本マウスから作られた細胞では減退していた。したがってin vivoにおいてNIK-NF-kBのオルタネイティブ・シグナル伝達経路が古典的シグナル伝達経路同様に破骨細胞形成あるいは骨吸収能力に重要であることが示唆された。現在NIKを阻害する化学物質の探索を行っている段階であり、その機能に干渉する化学物質あるいはペプチドを手に入れることに努力している。
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