• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

脳幹神経回路のもつポリバレント性の解析-en bloc脳標本の導入

研究課題

研究課題/領域番号 19659489
研究機関愛知学院大学

研究代表者

片倉 伸郎  愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (20185804)

キーワード新生仔ラット / 吸啜 / 吸気 / 嚥下 / 脳幹 / 舌下神経運動ニューロン / NMDA
研究概要

本研究では、複数の機能中枢に組み込まれたニューロンを同定し、その活動様式変換の機序を解析して、哺乳動物の脳における多重的制御機構の本質を探る道筋を付けようというものである。対象としたのは、en bloc標本として新生仔ラットから摘出した脳幹で、脳幹の機能中枢として具体的に研究対象としたのは、吸息、吸啜、嚥下で、各活動を生起させた時に関与するニューロン群の同定を行った。ニューロン群の同定については、ニューロン活動時に細胞内に取り込まれる蛍光色素sulforho-damine 101を用いた。色素を灌流液中に投与し、1〜3時間にわたって活動を誘発し細胞内に取り込ませ、実験終了後、標本を固定して前頭断切片を作成し脳幹内での分布を観察した。その結果、吸息活動ではpacemaker neuronが存在するとされるpre-Botzinger complexから吻側の腹側延髄と舌下神経核に両側性に陽性細胞が多く観察された。吸息活動に加えてNMDAで吸啜活動を誘発させると、前記の領域に加えて両側の延髄内側網様体に散在性に陽性細胞が観察された。ま上喉頭神経刺激によって誘発した嚥下活動では弧束核と舌下神経核に陽性細胞が多く観察された。
一方、obexより吻側で舌下神経核を含む厚さ300μmのスライス標本を作製し、whole cell patch clamp法によって舌下神経運動ニューロンから、NMDA投与によって誘発されるリズム活動中膜電位変動および膜電流変動を観察した。その結果、新生仔では、成熟動物とは異なり、運動ニューロン樹状突起遠位端にあるNMDA受容体がリズム活動の維持に関与しており、それより近位に存在する抑制性アミノ酸受容体の活動によって運動ニューロン自身でもリズム形成しうることが示された。新生仔期にあっては上流からのリズム入力の強弱によって運動ニューロン自身にもリズム活動を補助するポリバレントな機能が存在することを示唆している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] NMDA誘発リズム活動発現における運動ニューロンの役割-ラット新生仔脳幹スライス標本を用いた舌下神経運動ニューロン活動の解析2008

    • 著者名/発表者名
      荒木一将, 片倉伸郎, 倉田周幸, 下郷和雄, 平場勝成
    • 雑誌名

      愛院大歯誌 46

      ページ: 371-380

    • 査読あり
  • [学会発表] NMDA-iuduced hypoglossal motoneuronal activities in slice preparation from newbornrats2008

    • 著者名/発表者名
      K. Araki, N. Katakura, K. Shimosato, & K. Hiraba
    • 学会等名
      56th Annual Meeting of Japanese Association for Dental Research
    • 発表場所
      Nagoya
    • 年月日
      2008-11-29
  • [学会発表] NMDAで誘発される舌下神経運動ニューロン活動-ラット新生仔in vitro標本での解析標本での解析2008

    • 著者名/発表者名
      荒木一将, 片倉伸郎, 倉田周幸, 宮地斉, 下郷和雄
    • 学会等名
      第53回 日本口腔外科学会総会
    • 発表場所
      徳島
    • 年月日
      2008-10-21
  • [学会発表] NMDAで誘発される舌下神経運動ニューロンの発火様式-ラット新生仔脳幹スライス標本での解析2008

    • 著者名/発表者名
      荒木一将, 片倉伸郎, 倉田周幸, 平場勝成
    • 学会等名
      第50回 歯科基礎医学会学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-09-23

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi