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2008 年度 実績報告書

ティッシュエンジニアリングによる直接覆髄法の確立を目指した開拓的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19659497
研究機関大阪大学

研究代表者

恵比須 繁之  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50116000)

研究分担者 上田 未央  大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (90423136)
成田 寛子  大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70456945)
キーワード歯学 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 発生・分化
研究概要

本研究課題は、未分化間葉系幹細胞を含む硬組織恒常性に関与する細胞群における分化制御機構の一端を明らかにし、ティッシュエンジニアリングによる直接覆髄法の確立へとつなげようとするものである。これまでの解析により、マウスの頭蓋冠から採取した未分化間葉系幹細胞を含む付着細胞は水酸化カルシウムにより骨芽細胞に分化誘導されることが解っている。そこで、さらにリアルタイムPCR法を用いて骨芽細胞分化マーカーについて検索を行ったところ、水酸化カルシウムはOPN、OCNおよびALPの発現を誘導することがわかった。また、カルシウム受容体シグナル伝達経路の下流分子であるERK、p38およびJNKの特異的阻害剤は、水酸化カルシウムによって誘導される石灰化を抑制することも明らかとなった。一方で、直接覆髄において硬組織の吸収は良好な予後の妨げとなる。そこで、硬組織の吸収に関与する破骨細胞の分化についても検索を行い、これまでにgp130のシグナルが活性化すると破骨細胞の分化が抑制されることが明らかとなっている。本年度は、その抑制性制御メカニズムについて検索を行ったところ、gp130のシグナルはRANKL-RANKシグナル伝達経路のJNKおよびNFKBの活性化を特異的に抑制していることが分かった。さらに詳細なメカニズムを解析する目的で、RANKL(100ng)およびIL-6(100ng)にて刺激したマウス破骨細胞前駆体からmRNAを抽出し、発現量の変化した遺伝子群をマイクロアレイにて検索した。その結果、JNKの脱リン酸化に関与しているMKP1およびMKP7の発現が上昇し、NFKBの転写活性を制御するユビキチンシステムに関与するSenp2およびCu14Aの発現が低下していることを明らかにした。本研究により得られた知見は硬組織恒常性に関与する細胞群における分化制御機構の一端を明らかにするものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Interleukin-6 Directly Inhibits Osteoclast Differentiation by Suppressing Receptor Activator of NF-〓B Signaling Pathways2008

    • 著者名/発表者名
      Yoshitake F, et al
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 283

      ページ: 11535-11540

    • 査読あり
  • [学会発表] Effects of calcium hydroxide on osteoblastic differentiationand mineralization2008

    • 著者名/発表者名
      Narita H, et al
    • 学会等名
      86^<th> International Association for Dental Research
    • 発表場所
      Toronto, Canada
    • 年月日
      2008-07-04
  • [学会発表] 水酸化カルシウムが骨芽細胞の分化と石灰化に与える影響第2報 分化マーカーの発現とMAPKの関与について2008

    • 著者名/発表者名
      成田 寛子ら
    • 学会等名
      第128回日本歯科保存学会春季学術大会
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      2008-06-05

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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