研究課題/領域番号 |
19659501
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644)
|
研究分担者 |
増本 博 東北大学, 学際科学高等研究センター, 教授 (50209459)
鈴木 治 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60374948)
|
キーワード | インターフェイス / インプラント / OCP / 表面改質 / 傾斜機能構造 |
研究概要 |
ECRプラズマ酸化法より生成される多孔性チタニア膜が生成条件のちがいにより、ナノ・ミクロ構造および結晶組成が変化する。そこで本研究の目的は、ECRプラズマ酸化法による多孔性チタニア膜の生成条件膜厚、ナノ・ミクロ構造を明らかにし、さらにこれらと生体親和性、細胞親和性などとの関連を明らかにすることである。 本年度は、第2種CPチタン(10×10mm)基板に本学金属材料研究所で開発したECRプラズマ装置を用い、基板加熱温度、酸化時間、チャンバー内全圧を変化させ、様々な生成条件にてECRプラズマ酸化を施した。生成されたチタニア膜について走査型電顕(SEM)・X線回折(XRD)・オージェ電子分光分析装置・非接触型3次元型状測定器により評価を行った。その結果、表面粗さ、膜厚は基板加熱温度依存的に上昇し、SEM像から様々な表面構造が観察された。また、チャンバー内全圧を0.11Paから0.015Paへ変化させたところ、SEM像においてチタニア膜生成の低温化が観察された。これは、チャンバー内全圧を高真空にすることで、高温になるほどダメージ受けやすいチタニア膜の低温・短時間での生成が達成され、より高品質なチタニア膜生成が可能となったことを意味する。また、リン酸緩衝液へ浸漬したサンプルへのリン酸溶液とカルシウム溶液を注下による石灰化実験においても、チャンバー内全圧0.015Paにおいて石灰化能の促進がみられ、XRD測定の結果、石灰化物は結果第8リン酸カルシウム(OCP)と同定された。このOCPは擬似体液SBFへの浸漬後、ハイドロキシアパタイト(HA)への転換が観察された。 今後はチタニア膜上での細胞培養実験、動物実験を計画している。
|