研究概要 |
本年度は準備期間と位置付け,アルツハイマー病モデルマウスの選定と,それに伴う遺伝子改変動物使用における認可の取得,同時に通常のマウスによる抜歯手技の修得,ならびに認知機能解析および脳解析のための技術修得を行った。 研究分担者である国立長寿医療センター・アルツハイマー研究部・道川誠と研究計画およびアルツハイマー病モデルマウスの選定について協議し,アルツハイマー病の病因の一つとされるアミロイドβタンパク前駆体の遺伝子であるAPPを改変したAPPtgマウスと,アルツハイマー病の遺伝的因子とされるApoE蛋白遺伝子を導入したApoEノックインマウスを使用する事として,遺伝子改変動物使用における認可取得を行った。 同時に,マウス抜歯手技の確立・修得を目標として,機材の調達およびマウスの購入を行い,イソフルラン(商品名:フォーレン 明治製菓(株))による吸入麻酔と塩酸メデトミジン(商品名:ドミトール 明治製菓(株))による腹腔内投与の併用によって全身麻酔管理下にて双眼ルーペ視界下で耳小骨鉗子(高原氏鋭ひ First)を用いて両側上顎第一臼歯から第三臼歯の計6本を抜歯した。また,抜歯に伴うマウスの栄養状態の変化はその後の結果を左右する事が考えられるため,体重測定および血糖計(商品名:メディセーフミニ テルモ(株))を用いた血糖値測定による抜歯後マウスの栄養状態モニタリング法を確立した。 認知機能解析には8方向放射状迷路を用いた空間認知機能および学習・記憶機能の評価を行う事として機材を調達,ビデオカメラによりマウスの行動を記録,行動解析用ソフトウェア(Be-Trece4行動医科学研究所)を用いて解析を行う実験方法を確立した。
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