研究概要 |
従来の研究により独自に構築した放射線照射後の遺伝子・タンパクの発現状態の変動に関する巨大なデータ・ベースからクラスター解析,パスウエイ解析などにより抽出した放射線感受性・耐性の関連候補遺伝子リストを作成した。それらの遺伝子に関して,重要なパスウエイを構成する多くの遺伝子群に関して,放射線耐性細胞株HSC-2,放射線感受性細胞株HSC-3を用いてreal time PCRにより発現量を確認した。これらのマイクロアレイ解析の結果,プロテオミクス解析の結果,real time PCRの結果が一致した遺伝子に関して,どのようなパスウエイを形成するかを明らかにして論文として公表した(Int J Cancer 120;2262-2270,2007年)。 また,これらの遺伝子群のうち,DNA修復遺伝子に関するデータから,Ku-80遺伝子にフォーカスを当て,siRNAの放射線耐性細胞株への導入による遺伝子抑制実験を行い,in vitroにおいて放射線感受性が増大することを明らかにした。さらに,in vivoでマウスに移植した腫瘍にKu-80遺伝子のsiRNAを導入して放射線を照射し,腫瘍の増大、縮小を検討し,siRNAによる発言抑制による放射線耐性の克服により,新規放射線治療法の開発が可能であることを明らかにし,論文として報告した(Int JOncol。30;1477-1484,2007年)。
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