研究課題
既に独自に構築した放射線照射後の遺伝子・タンパク発現状態の変動に関するデータ・ベースから、クラスター解析、パスウェイ解析などにより抽出した放射線感受性・耐性関連遺伝子群を絞り込んだ。これらの遺伝子に関して、放射線耐性細胞株HSC-2、放射線感受性細胞株HSC-3を用いてreal time PCRにより発現量を確認し、マイクロアレイ解析とプロテオーム解析の結果とreal time PCRの結果が一致した遺伝子に関してさらにパスウェイ解析で絞り込んだ。次に、DNA修復遺伝子であるKu-80遺伝子に注目してSi-RNAの放射線耐性細胞株への導入による遺伝子発現抑制実験を行った後、in vitro、in vivoにおいて放射線照射実験を行い、Ku-80遺伝子siRNA導入により放射線耐性の克服ができることを明らかにした。また、ICAM2遺伝子発現の発現抑制がが放射線耐性細胞株において放射線感受性を高めることを証明した。さらに、FGFR3遺伝子が放射線耐性遺伝子であることをin vitro, in vivoで証明し、さらに、in vitro、in vivoにおけるsiRNAとFGFR3阻害剤(低分子化学物質)による発現阻害実験により、FGFR3遺伝子の発現抑制により放射線耐性を克服できることを証明した。以上の結果、Ku-80遺伝子、ICAM2遺伝子、FGFR3遺伝子が放射線耐性に深く関与し、そのsiRNA併用により放射線耐性を克服できること、さらに、FGFR3遺伝子阻害剤(薬剤)による臨床応用可能な放射線増強療法を開発し、特許を出願した。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Br J Cancer. 98
ページ: 1357-65