研究課題
本研究は、口蓋裂の発生のメカニズムを解明し、臨床治療に応用するために、胎生期マウスの口蓋を用いて、口蓋閉鎖に関わる分子機構を明らかにすることを目標にしている。具体的には、口蓋突起の遺伝子発現を癒合前、癒合中、癒合後の3者間で比較し、口蓋閉鎖に関わる遺伝子群を明らかにするための実験を開始している。平成19年度に実施した研究の成果については、1.口蓋組織培養方法の比較検討新しい研究室に赴任した際、培養実験を行えるように施設を整備し、口蓋組織を液体培地に浮遊させて培養する方法と、培養液上のフィルターで培養する方法を試み、今後の実験系で用いるための予備準備を行った。2.胎生期マウス口蓋突起のマイクロダイセクション試み口蓋を器官培養し、組織サンプルを変性なく回収するための条件決めを行った。RNAの量と質を確認し、引き続き行う遺伝子発現解析に十分な純度を満たしていることを確認した。3.遺伝子解析のための準備実験T7 RNA amplification法を用いて、RNAを増幅し、増幅後のRNAも遺伝子発現解析に十分な純度であるかを確認した。現在、(1)口蓋突起が接近した段階(癒合前)、(2)口蓋突起が癒合している段階(癒合中)、(3)口蓋突起が癒合した段階(癒合後)で、実際にRNAを抽出し、遺伝子発現解析に向けてのRNAの量と質を確認しているところである。口蓋突起癒合時期における口蓋突起上皮に発現する遺伝子発現を網羅的に調べるため、研究を進めているところである。
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Dysphagia 22
ページ: 135-139