研究課題/領域番号 |
19659533
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
後藤 昌昭 佐賀大学, 医学部, 教授 (10145211)
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研究分担者 |
山下 佳雄 佐賀大学, 医学部, 准教授 (50322300)
重松 正仁 佐賀大学, 医学部, 助教 (80398130)
林 信哉 佐賀大学, 理工学部, 講師 (40295019)
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キーワード | プラズマ / 酸素ラジカル / 滅菌 / 生物学的インジケータ / 化学的インジケータ |
研究概要 |
術後の合併症や院内感染を防ぎ、安全で確実な歯科、口腔外科治療を行うために、医療器具や医療材料の滅菌は極めて重要である。特に最近ではデンタルインプラントの普及により外来診療室においても顎骨の削除を行う頻度が高くなっている。歯科材料や歯科用器具は表面が凹凸不正であったり、多孔性や金属製の刃がついているものが多いため、従来の滅菌装置では、完全な滅菌ができなかったり、性能や材質に悪影響を及ぼす可能性が高い。 平成19年度に本研究費にて開発作製した装置について、平成20年度は性能、滅菌効果を検討した。本装置の酸素ラジカル発光分光スペクトルは、波長777nm付近に顕著なピークが現れたことから、本装置のプラズマ中には、酸素ラジカル(一重項酸素原子)が生成されていることが確認できた。BIおよびCIによる滅菌効果の確認については、約1時間で滅菌効果が得られた。また、内空構造のテストパックにおいては、3時間から6時間程度で滅菌効果が得られた。したがって、本装置では表面的な滅菌だけでなく、内空を有する製品や布製品などへの適用も可能であった。歯科用器具の滅菌効果については、滅菌対象物を培養液に浸漬して細菌培養した。歯科治療で使用するステンレス、ダイヤモンド、カーボランダム、シリコーンなどの歯科用バーに枯草菌を塗布し、プラズマ滅菌を1時間行ったもの、行っていないもの、オートクレーブで滅菌したものを、各々58℃で48時間培養した。その結果、カーボランダムとシリコーンではオートクレーブでの滅菌効果に比べて、プラズマでは不十分であった。原因としては、滅菌時間の不足、滅菌対象物の表面形状や内部構造の影響が考えられた。今後、滅菌時間や滅菌対象物のチャンバー内での配置などについて検討していく必要がある。
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