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2009 年度 実績報告書

消化管運動機能を改善させるオーラル・ヘルス・ケア手技の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19659551
研究機関東北大学

研究代表者

服部 佳功  東北大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (40238035)

研究分担者 坪井 明人  東北大学, 病院, 准教授 (00241646)
佐藤 智昭  東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50312591)
小嶺 祐子  東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00431586)
キーワード咀嚼体操 / 消化管症状 / GSRS / 便秘 / 排便 / 下剤 / 介護老人保健施設 / 認知症
研究概要

咀嚼が消化、吸収、代謝に及ぼす影響は広く知られるところで、学校教育における食育で咀嚼の重要性が強調される理由もここにある。しかし咀嚼の多寡は咀嚼能力に加えて習慣に依るため、咀嚼動作量を増すには、食事以外で咀嚼様動作を追加する工夫が求められる。咀嚼動作量の増大が消化管の機能向上に及ぼす効果を検討した本研究では、施設入居高齢者の咀嚼様動作を増す方法に、軟性樹脂性のマウスガードを音楽に合わせて噛みしめる咀嚼体操を採用した。噛みしめ頻度は毎分約30回で、1日1回5分間の実施である。対象者は介護老人保健施設に6ヶ月以上入居する高齢者19名(うち男性6名、年齢:63~100歳、平均85.7歳)で、軽度の認知機能障害があり、20歯以上の機能歯を備え、常食もしくは軟食を経口摂取している。連続4週にわたって咀嚼体操を実施し、疼痛・疲労感などの愁訴、本人意思による中断等を調査するとともに、実施期間とその直前4週間の排便や下剤等の服用状況、ならびに日本語版GSRSにより聴取した各期間最終1週間の消化器系の主観的健康状態を比較した。実施期間中、疼痛等の訴えや本人意思による中断はなく、本法は総じて好意的に受け入れられた。GSRSの点数は、咀嚼体操実施に伴って有意に低下し(平均21.9点→16.7点、p<0.05)、点数の減少は便秘関連項目で顕著かつ有意であった。排便日数には有意な変化を認めなかったが、臨時の下剤処方日数は有意に減少した(平均3.3日→0.6日、p<0.05)。以上の結果から、食事以外で咀嚼様動作を負荷する咀嚼体操の安全性と、消化器系への効果が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      服部佳功, 水戸祐子, 渡邉誠
    • 雑誌名

      口腔と全身疾患, 歯科医療は医学を補完する(クインテッセンス出版)

      ページ: 66-72

  • [学会発表] 本邦老年歯科医学におけるQOL概念について2009

    • 著者名/発表者名
      服部佳功, 水戸祐子, 大井孝, 渡邉誠
    • 学会等名
      第20回日本老年歯科医学会総会・学術大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜,横浜
    • 年月日
      2009-06-20
  • [学会発表] 宮城県美里町における介護予防口腔機能向上事業の展開2009

    • 著者名/発表者名
      相原浩子, 若生沙希, 横山太一, 鈴木正樹, 沼田いく子, 結城直子, 大井孝, 水戸祐子, 服部佳功, 坪井明人, 小関健由, 渡邉誠
    • 学会等名
      第20回日本老年歯科医学会総会・学術大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜,横浜
    • 年月日
      2009-06-20
  • [学会発表] 宮城県美里町における口腔機能向上事業の効果2009

    • 著者名/発表者名
      水戸祐子, 大井孝, 沼田いく子, 結城直子, 相原浩子, 若生沙希, 横山太一, 鈴木正樹, 服部佳功, 坪井明人, 渡邉誠
    • 学会等名
      第20回日本老年歯科医学会総会・学術大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜,横浜
    • 年月日
      2009-06-20

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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