研究課題/領域番号 |
19659559
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
泉福 英信 国立感染症研究所, 細菌第一部, 室長 (20250186)
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研究分担者 |
志牟田 健 国立感染症研究所, 細菌第一部, 研究員 (40370960)
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キーワード | Streptococcus gordonii / Porphyromonas gingivalis / hemagglutinin / ペプチドアレイ / 歯周病 / バイオフィルム / 唾液 / 検査 |
研究概要 |
S.gordoniiの表層蛋白質SspB390-T400K-402ペプチドを利用した歯周病関連菌を検出するペプチドアレイを構築するためにデータの検出方法の検討を行った。Biotin標識SspB390-T400K-402ペプチドとstreptoavidin-alkaline phosphatase(AP)を利用してP.gingivalisの結合性を検討していくと、バックグラウンドが高くなる傾向が見られた。ペプチドを使わずにstreptoavidin-APやAPのみをP.gingivalisへ作用させてもその反応が認められたため、バックグラウンドが高くなる原因は、APの菌体への結合による影響であると考えられた。そこで、P.gingivalisのどこの部位にAPが結合しているか検討するために、結合が予測される分子であるhemagglutininやfimbliaeを欠損したP.gingivisを作成しまた譲渡を受け検討を行った。その結果、hemagglutininを欠損したP.gingivalisは、APとの結合が有意に減少した。しかし、fimbliaeを欠損したP.gingivalisは、APと有意に結合した。よって、そのバックグラウンドの上昇は、APのhemagglutininへの結合が原因と考えられた。他に反応酵素として使用されるperoxidaseは、有意にP.gingivalisと結合することがなかった。臨床サンプルとの反応性もstreptoavidin-peroxidaseを使用した方が、バックグランドが低くより有用なデータを得ることができた。歯周病の臨床検査には、より制度の高い方法が求められている。ペプチドアレイの最終反応に使用するものは、APよりもperoxidaseが有効と考えられた。この方法は、今後歯周病リスク検査の有用な方法になる可能性が考えられた。
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