研究課題/領域番号 |
19659562
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三木 明子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (30315569)
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研究分担者 |
友田 尋子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (30237135)
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キーワード | 暴力 / リスクマネジメント / 病院職員 / 多職種 / 暴力防止 / 患者暴力 / 医療機関 / 院内暴力 |
研究概要 |
病院職員33人を対象に12時間の暴力防止プログラムを実施し有用性を検討した。実施前は暴力を怖い・対応が難しい・関わりたくないと否定的に受け止めていたが、実施後は何とかしたいと積極的な考えに変化した。実施後、暴力を防ぐことができると回答した者は、1割から6割まで増加した。プログラム実施前後の暴力に対する考えの変化、満足度の高さ(満足:72.1%、まあ満足27.9%、やや不満・不満0%)などから、病院職員に対するトレーニングの有用性を示した。 3都道府県の看護協会と2つの病院の協力を得て病院職員450人程度に調査を実施し、311の暴力被害事例を収集した。事例の被害者は、医師、看護師、検査技師、理学療法士、介護福祉士、事務職と多岐にわたった。分析の結果、病院職員が暴力を受けやすい場面の特徴は、身体的接触の伴うケアの場面、患者に注意する場面、患者の危険行動を防止する場面、飲酒した患者と関わる場面であることを示した。暴力被害の影響は、煙草の火を押しつけられたことによる火傷、腕を噛まれたことによる上肢のしびれ、頬を殴られたことによる頸椎捻挫と打撲、ハサミで切りつけられたことによる受傷などであり、病院職員が暴力被害に遭遇しないために、有用な暴力防止策を明らかにする必要性を示した。 効果的に暴力対策を進めるためのアクションチェックリストを共同で開発し、57人の病院職員(11職種)に試行した。病院職員がグループ討議の結果、優先順位の高い対策として挙げたものは、「暴力に関する手順書の作成・周知」「被害者の身体的・心理的ケア体制」「暴力に対するポリシーの作成・表明」などであった。多職種間で対策を話し合う際に役立つツールであることが確かめられた。
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