研究課題/領域番号 |
19659562
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三木 明子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (30315569)
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研究分担者 |
友田 尋子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (30237135)
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キーワード | 暴力 / リスクマネジメント / 病院職員 / 多職種 / 暴力防止 / 患者暴力 / 医療機関 / 院内暴力 |
研究概要 |
1.患者暴力被害事例の収集と分析 病院職員に調査を実施し、患者暴力の被害事例を700事例収集し、状況別と原因別に分類した。状況別には、(1)ケア介入時に遭遇する暴力、(2)危険行動の注意・制止時に受ける暴力、(3)日常的に繰り返される暴力、(4)特定の個人または多数の被害者が受ける暴力、原因別には、(5)病気に起因する暴力、(6)病気に起因しない性的暴力、(7)感情コントロール不全者による暴力が分類された。我が国で初めて患者暴力被害の事例集(130以上の暴力被害事例を掲載、日本看護協会出版会から6月以降発刊予定)をまとめ、病院職員が暴力にどのように対応するのか、解説した。 2.病院職員のための暴力のリスクマネジメントプログラム 1)事例教材、チェックシートの作成 暴力の価値基準の共有化のための事例教材とチェックシートを作成し、職員に試行し、活用できるか確認した。 暴力発生の危険予知のために、「患者同士の喧嘩の仲裁」「危険行動の制止」「酩酊状態の患者の対応」「問題行動の制止」の場面の視覚教材を作成し、危険要因と現象をアセスメントし、チームで共通の行動目標を確認できるチェックシートを作成した。 2)職員合同の暴力回避トレーニングの実施 多職種構成のグループで暴力回避トレーニングを実施した。参加者からは「患者に威圧感を与えず、緊張を生まない距離や立ち位置はすぐに実践できるので良かった」「患者に痛みを与えない介入方法もあることを知ったことは大きい」など肯定的意見が挙がり、認識の変化を認めた。トレーニング1ヵ月後の面接調査では、「病院職員合同トレーニングを通して、他部署や他の職種と連携がとりやすくなった」(興奮状態の患者に対し、じっくり話を聞き鎮静化させた(成功事例)」などの意見が挙がった。
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