研究課題/領域番号 |
19659563
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大島 敏子 神戸大学, 医学部附属病院, 看護師 (80403244)
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研究分担者 |
松浦 正子 神戸大学, 医学部附属病院, 看護師 (30379440)
高橋 京子 神戸大学, 医学部附属病院, 看護師 (60379451)
高岡 裕 神戸大学, 医学系研究科, 科学技術研究員(特務准教授) (20332281)
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キーワード | バリアフリー / 個別化医療 / 自動点訳 / 視覚障害 |
研究概要 |
患者の個々の体質に応じた医療、すなわち「個別化医療(テーラーメード医療)」ではインフォームドコンセントや治療計画、服薬指導等の文書を、各個人に合わせて提供する必要がある。従って、それらの文書は患者毎に異なる。個別化医療は患者個々に対応して行うので、患者が障害者の場合にも同様に個別に対応しなくてはならない。そこで本研究では、個別化医療のバリアフリー対応の実用化に向け、患者に手渡す文書を正確に自動点訳可能なシステムの構築と、病院内でのその利用法を研究する。 今年度は(1)自動点訳プログラムeBrailleの医療文書点訳への対応、(2)点訳対象文書の選定とその出力方式、を検討した。その結果、(1)プログラム開発の結果、新聞記事の点訳精度は日本最高レベルになった。そして、医療文書の点訳精度の向上を目指して、その実装方法を明らかにした。具体的には、医療文書の点訳結果から判明した弱点と看護記録の解析結果から、点訳プログラムが使用する辞書を拡張することで医療文書の点訳精度を向上可能であることを明らかにした。また、(2)点字文書の出力方式は、パンフレットのような「定型文書」と、インフォームドコンセント等の同意書や薬の服用上の注意点などの患者個々で異なる「非定型動的文書」に分類し、前者では点字プリンタを、後者は必要に応じて点字プリンタと立体コピー機の双方を使用することが妥当であるとの結論に達した。 今後は、点訳プログラムの改良と辞書の拡張を継続し、自動点訳システムの運用と点訳文書の院内での利用方法の確立に取り組む予定である。
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