研究概要 |
今年度は、まずQuality Indicator(以下QIと示す)の候補指標を抽出するために、網羅的な文献検索を行った。特に、コクラン・ライブラリのPregnancy and Childbirth Groupのシステマティック・レビュの中から出産に関する内容のレビュを抽出し、有効性が検証されている項目について検討した。継続的なケア、持続胎児モニタリング、分娩時の姿勢、ルーティンの会陰切開、分娩第3期の管理方法等が、QI候補としてあげられた。 また文献検索の過程で、QIと類似した指標で米国にてOptimality Index-USが用いられていることがわかった。Optimality Index-USの開発者とディスカッションの機会を持ち、日本での適用可能性について検討した。Optimality Index-USは、米国のリサーチエビデンスを基盤にしているため、日本のエビデンスを加味したOptimality Index-JAPANの作成を提案された。今後、日本文献について文献検索を進め、統合した結果を基に、Optimality Index-JAPANの作成について検討する。 次に、都内の助産所における妊娠・出産のデータを収集し、QI候補指標と出産の基礎データについて分析を行った。13ケ所の助産所、4,802件のデータを収集した。分析の結果は、学会にて発表した。現在、都内の1ケ所の病院で同様のデータ収集を行っている。次年度は、これらの比較分析を行う予定である。
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