網羅的な文献検索(コクランシステマティック・レビューを含む)とコンセンサスミーティングの結果に基づいて、Quality Indicator (以下、QIと示す)の項目を決定していった。継続的なケア、分娩第一期の浣腸と剃毛、持続的分娩監視装置の使用、分娩時の体位、ルーティンの会陰切開、分娩第3期のアクティブマネージメント等がQI候補としての妥当性が高いと結論づけられた。都内13ヶ所の助産所と1ヶ所の病院で、QI項目と関連する妊娠・出産データの収集を行った。助産所はローリスクが主体であり、病院はハイリスクが含まれているという前提はあるが、ほとんどのQIについて、助産所の方が高いという結果であった。助産所のケアの質の高さと安全性が示唆された。 これらのデータを用いて、Optimality Index-USの項目についても分析を行った。助産所と病院の類似点と相違点を導き出し、さらに米国の報告との比較も行った。その結果は、日本助産学会にて発表した。 本来QIは、エビデンスに基づくガイドラインのコンプライアンスを評価し、ケアの質を一定に保つために用いられている。今後、社会に出産ケアの質を保証するためには、ガイドラインの開発、評価、普及を大きな枠組みとして、その体制を整えることを課題としたい。
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