研究概要 |
本研究は,慢性疾患のために外来通院中または,入院および外来通院歴をもつ高校生から青年期の者を対象に,体格評価,骨量の測定,生活習慣、食生活,自身の健康への関心の振り返り調査を行い,骨量と生活習慣、食生活との関連を検討することを通して、慢性疾患患者の治療歴や疾患コントロール状況を加味した上で,骨量、生活習慣、食生活、自身の健康への関心との関連を検討することを目的としてしる。 平成19年度は,慢性疾患をもつ子どもの生活習慣や食習慣に関する文献を収集し,調査対象とする疾患や調査内容の検討を行った。その結果,糖尿病においた,小児、思春期糖尿病に特異的な合併症として骨症状がみられ,インスリン不足により骨芽細胞の増殖,分化の代謝回転が遅くなるなどにわり,骨塩量が低下すると考えられていること。HbAlcと骨塩量とは逆相関の関係にあるが,骨塩量が増える思春期は,身体的、精神的要因から血糖コントロールが乱れやすい難しい時期となっていることが明らかとなった。さらに小児がんにおいて,治療成績が向上し70%以上が治癒するようになってきているが,小児がん経験者の30〜70%が治療の原因により何らかの晩期障害をもっており,その晩期障害の一つに骨密度低下,大腿骨頭壊死がある。これら晩期障害は小児がん経験者のQOLの低下につながり問題視されていることが明らかとなっな。そこで,調査の対象疾患をこれら2疾患に絞り,研究計画書と調査用紙を作成し,千葉大学看護学部倫理審査委員会に諮った。 研究計画書は,倫理審査委員会からの承認を得,研究協力病院および小児がん経験者の会からも調査の承諾が得られた。糖尿病患者においては,平成20年1月〜3月までの調査で9名の調査を実施した。小児がん経験者においては,平成20年4月〜5月に調査である。調査終了後は,研究計画に沿って結果を分析し,学会などで発表の予定である。
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