研究課題/領域番号 |
19659581
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
西村 明子 兵庫医療大学, 看護学部, 講師 (20324783)
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研究分担者 |
大橋 一友 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30203897)
石蔵 文信 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50303970)
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キーワード | 中高年 / 男性 / パタニティブルーズ / うつ病 |
研究概要 |
研究I【目的・方法】我が国では中高年男性の自殺が増加しており、その原因としてうつ病が問題になっている。また、晩産化の影響により、中高年男性が妻の出産を経験することも多くなってきている。うつ病に対して脆弱な時期にある中高年男性が妻の出産を経験した場合には、うつ病発症のリスクが高くなると考えられる。従って、周産期において父親の精神状態を把握することは、うつ病の早期発見につながると考える。父親の産後のうつ病の関連要因として母親の産後うつ病が国外の研究で報告されているが、これまでの研究では対象者数が少なく、うつ病の一般的な原因である職業上のストレスに関して十分に検討されていない。そこで、父親の産後のうつ病の関連要因を明らかにするために産後1か月健診に来院した510組の夫婦に質問紙調査を実施した。【結果】父親151名(29.6%)、母親181名(35.5%)、夫婦149組(29.2%)を分析対象とした。父親のうつ状態に関連のある項目は、契約社員や派遣社員など不安定な雇用形態、妻の妊娠を望んでいなかった、育児に対する不安がある、精神的な問題で医療機関を受診した経験がある、養育体験として母親からの愛情不足と母親の過干渉であった。夫婦のうつ状態の関連、要因に関して、現在さらに分析申である。 研究II【方法】抑うつや不安を主訴に男性更年期外来を受診した109名の患者の家族構成を調査し、子どもの年齢と精神症状発症との関連を調査した。【結果】13名の患者が、妻の妊娠期から子どもが乳幼児の時期に精神症状を発症していた。発症時の患者の平均年齢は、40.2±3.2SD歳(36〜45歳)であった。DSM-IVの大うつ病診断基準を満たす者は5名であった。SDSは平均51.1±8.9SD(35〜69)、日本版STAIの特性不安は平均60.9±9.6SD(46〜74)、状態不安は平均56.3±11.6SD(35〜70)であり、高値を示した。
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