研究課題/領域番号 |
19659586
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
宮原 春美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00209933)
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研究分担者 |
松本 正 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70190535)
中尾 優子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (40325725)
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キーワード | 発達障害児 / 性行動 / 性教育 / 自閉症 / 母親 / 認識 |
研究概要 |
自閉症児・者の性発達と性行動の実態および親が障害児・者の性発達と性行動をどのように認識しているかの2点を明らかにするために、研修会に参加した6歳以上の男性自閉症児・者の母親71人を対象に調査を行った。 調査方法は集合法による自記式質問紙調査であり、自閉症児・者を重度群と非重度群の2群に分け、性行動、二次性徴・性発達の発現時期、母親の年齢、障害児・者の性発達と性行動に対する認識、夫婦関孫満足度、ソーシャルサポート等について調査した。 その結果、二次性徴、精通の発現時期では重度群と非重度群に差はなかったが、異性への関心の発現時期では、非重度群が有意に早かった(p=0.029)。子どもの「性的心配事有り」は重度群の母親に有意に多く(P=0.013)、性的問題行動として、「異性の身体を触る」「好きな子を追いかける」「人前でマスタベーションする」「人前で性的なことを言う」等が挙げられていた。 子どもの性発達と性行動に対する母親の認識では、生理的レベルの性行動であるマスタベーションに対しては重度群と非重度群の両群とも約8割が肯定的であったが、恋愛、結婚に対しては重度群と非重度群の認識に差があった(p=0.000)。重度群では恋愛、結婚について肯定する母親の割合が低く、子どもが性的に発育する存在であることに対して否定的であった。また恋愛については、夫婦満足度の低い母親は肯定する割合が低く、夫婦の関係性が影響したものと考える。ソーシャルサポートは9割以上の母親が何らかのサポートを受けており母親の認識との関連は認められなかった。 今回の調査結果より障害児・者自身と家族に対する支援の必要性が示唆きれた。
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