【目的】クリティカルケア領域で人工呼吸器を必要とする患者は、もともとの病態と人工呼吸によって呼吸仕事量の増大が起こりやすい。温熱療法の効果には、血流増加、筋肉の弛緩、リラクセーション作用である。人工呼吸器装着中の患者に温熱療法を用いで、その効果により呼吸仕事量を軽減させる可能性がある。本研究の目的は、まず、研究1で遠赤外線機能の貼用部位の違いによる呼吸機能への影響を明らかにする。次に研究2で、研究1の結果より介入方法の詳細を決定し、人工呼吸器装着患者における遠赤外線シートによる呼吸機能の変化とリラクセーション効果から呼吸仕事量軽減への効果を明らかにする。 【方法および結果】本年度は健常者を対象に遠赤外線シート貼用の効果的な部位と(胸背部または足部)、呼吸機能の変化を調査した。より正確な値を測定するため、呼吸機能検査にはデジタル式ピークフローメータを利用して行った。胸背部と足部に遠赤外線シートを貼用し胸部の温度上昇があるかどうかを比較したところ、足部では胸部の温度上昇を認めなかった。また、呼吸機能検査は検査自体に対象者に負担がかかることがわかった。以上から、遠赤外線シートは胸・背部の貼用とし、温熱効果の持続効果についてさらに調査が必要であることが明らかとなった。 【次年度の予定】この結果を基に引き続き健常者のデータ採取を行い、その結果をふまえて、クリティカルケア領域の人工呼吸器を必要とする患者に実施していく予定である。
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