研究概要 |
本研究の目的は,今後,多くの心の問題を持った児童と,その家族を援助の対象とするであろう一般小児科看護師への,精神看護的観点から支援を行うための教育プログラムの開発である。教育プグラムの受け手である一般小児科看護師の学習の利便性やそれによる学習の継続を促すために,eラーニングを用いる。本研究により,一般小児科看護師の力量が向上することにより,ひいては心の問題を持つ児童とその家族がよりよいケアを受けられることを目指している。 本研究は,一般小児科看護師のニーズならびに児童精神科看護師の実践知把握,全国調査,eラーニングプログラム開発、実施、評価という3段階により構成する予定としており,平成19年度は最初の段階に当たる。一般小児科看護師ならびに児童精神科看護師,さらにその実践経験のある看護師対象として研究参加者を募った。その結果,小児科を有する4施設20名以上の応募があり,児童への看護実践についての困難,解決法,有用であると考える学習資源等についてインタビューを実施し,同時に分析を続行している。これまでに,小児看護師が困難とすることは児童の行動やその背景にある心的問題であることに加え,児童のみならず親の行動や親子関係についてであることが明らかとなった。さらに,小児科看護師が必要とする学習内容については書籍等の教材のみならず,同僚や他施設の看護職者との情報交換や具体的な事例検討等であることが明かとなっている。今後もインタビューと分析を同時並行し,この結果をもとに,全国調査を行い,広く,小児科看護師のニーズ把握を行う予定である。
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