1.はがきによる現状調査 18才以上の虐待被害者の支援の実態を把握するためにはがきによる調査を実施した。対象は、児童相談所、全国の児童虐待防止センター、自立支援ホームなど275箇所で回収率は57%であった。「通告時18才以上の対象がいた体験」を持つ施設は50ケ所(32%)であり、「保護後に18歳以上となった事例の体験」をもつ施設は55ケ所(35%)であった。通告時18才以上のケースに対応している機関は17に及び、保護後に18歳となった事例でも、17ケ所であったが、対応機関に違いがあった。また、自由記載欄は81所の施設で意見が記載されていた。その概要は「体験」「意見・要望」に分類された。体験の中でも、現状と法的な整備とネットワーク構築がないため苦慮している現状が明らかであった。 意見・要望では、保護しているケースを年齢で法的に保護対象でなくなることの矛盾、18歳となっても虐待による2次的障害として対人関係、社会性の未熟さなどの問題を抱えていたり、発達障害や知的障害があるとさらに支援の継続が必要であることが述べられていた。また、いわゆる18才問題ではなくても、中学卒業後は、ホームレスになったり、生活拠点を失っている子どもが多く存在していることも明らかになった。このような現状の中で、NPOを立ち上げて子供たちの支援を行っているグループが大都市圏を中心に存在していた。子の中でも目立支援ホームは、今後さらに増えていくことが求められると考えられた。 これらの結果は、来年度論文化して発表予定である。 2.インタビューは、当初予定していたChild Advocacy Network(CAN)、施設入所経験者の自助グループと自立支援センターとシェルターでインタビューを実施した。来年度は、これらの施設から傷害された自立支援センター2ケ所にインタビュー予定である。インタビューでは、弁護士を中心としたグループによる、シェルターと自立支援ホームの設立と児童相談所との連携について知ることができた。医療との連携が大きな課題となり、積極的な参与が求められるものと考える。
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