目的:積雪・寒冷・広域地域の北海道における訪問看護サービスの利用者の特徴、ニーズ項目、アウトカム、効果と費用分析を行い、訪問看護の利用による自治体の医療・保険財政の抑制にどの程度影響するのかを実証的に明らかにする。19年度は北海道内の訪問看護サービス提供機関の構造上の特徴を明らかにするためヒアリング調査を実施した。 方法:(1)ヒアリング調査の項目を作成するため、枝幸町の訪問看護ステーションにプレ調査を実施し、調査項目を精選した。また、調査効率をあげるために、北海道総合在宅ケア事業団本部から既存資料の提供を受け聞き取る項目を整理した。 (2)北海道総合在宅ケア事業団本部に対し、研究目的と合致する地域特性を持つ訪問看護ステーションの選定を依頼。紋別市、羽幌町、当麻町、稚内市、斜里町、江差町に設立されている各訪問看護ステーション看護管理者に対し、1カ所につき1〜1.5時間のヒアリング調査を実施した。 調査項目:構造的側面を収集した項目〜訪問看護ステーション設立までの過程、ステーションの組織体制、スタッフの人員確保の方策、利用者の推移、利用者の保険種類、利用者の身体状況、ケア項目と利用時間区分・訪問頻度・移動時間、他機関との連携状況、経営上の困難点・経営改善の工夫等 研究結果:経営に影響する要因として、利用時間区分と地域産業・利用者の収入との関連、利用者の紹介ルートでは連携対象で差があることなどいくつかの要因が明らかになってきている。現在、詳細なデータについては分析中である。
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