目的:積雪・寒冷地域の北海道における訪問看護サービスの利用者の特徴、ニーズ項目、アウトカム、効果と費用分析を行い、訪問看護の利用による自治体の医療・介護保険の抑制にどの程度影響をするのかを実証的に明らかにする。20年度は、19年度結果に基づき、北海道内の全訪問看護ステーションの調査を実施した。 方法:(1)19年度調査成果から20年度の調査項目を精選(2)北海道内のステーション数、分布等の統計情報を既存資料から把握し整理(3)北海道内に開設している270カ所の訪問看護ステーション看護管理者にアンケート調査を実施 調査項目:施設概況〜10項目、利用者状況〜8項、経営実態〜14項目 研究結果:19年度の研究成果〜経営に影響する地域的要因は、積雪・寒冷の気象条件が交通障害への負担感に、地勢では海岸線沿いに交通アクセスが不便で移動距離・時間とも長く可住地人口の偏りにより訪問効率が悪い、基幹産業の収入と年金水準が訪問看護回数や利用時間区分を規定する、人口減少と高齢化で疾病が重度化し死亡による利用終了が多く、高齢世帯では介護力不足により通院困難になると往診診療が無いため施設入所を希望する、元々入院・入所を希望する住民意識が利用者減少につながる、スタッフの確保困難が加算に影響する等、看護管理者の経営努力を超えた構造的な課題であることが明らかになった。なお、20年度の調査結果については、現在、集計・分析中である。
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