急性期病院から在宅での看取りまでの連続したケアを提供するには、施設間・他職種連携によるチームアプローチが必要で、地域で活躍している看護職の専門的な知識・技術を地域で有効活用し、看護職の専門的技術であるフィジカルアセスメント技術の維持向上が必須である。さらに、後期高齢者のフィジカルアセスメント技術は、高齢者の個別性により工夫が必要であり、高度な実践でもあり、継続可能なシステムを開発することが望まれる。本研究の目的は、A市(高齢化率25.6%平成18年8月現在)の後期高齢者の急性期から看取りまで継続した地域ケアシステム構築を視野に入れ、アクションリサーチによるA市の看護職による後期高齢者のフィジカルアセスメント支援システムを開発することである。 平成20年度は、平成19年度に開拓したA市の急性期病院、回復期・リハビリ病棟、療養型病床、介護老人保健施設、介護老人福祉施設、訪問看護ステーション、グループホーム等で、職種は、看護師、保健師、助産師、ケアマネージャー等から、後期高齢者のフィジカルアセスメントに関する技術・知識・体験に関する現状把握を把握するために同意を得てインタビューを行った。インタビュー内容を質的・帰納的に分析し、A市内の看護職の後期高齢者フィジカルアセスメントは職種・活躍の場によっての技術・知識・体験・関心の相違等がみられた。その結果をもとに教育・研修ニーズを明らかにし、支援システム開発を行った。
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