研究課題
環境化学物質は、日常的な曝露レベルであっても、長期曝露によって、ヒトや野生動物に様々な病態を引き起こす。野生動物もヒトと同じく、常に食餌や棲息環境の汚染を通じて、環境化学物質を生体内に取り込んでいる。そこで、本研究では「化学物質を起因とする野生動物の病態」の中で、発癌などに焦点を当て、その現状の調査を行うことを目的とする。一方で、残留性汚染物質POPsの分布に国境はなく、その汚染は地球規模で広がっている。特にアフリカでは近年における急激な開発と汚染の進行が懸念されている。そこで、本研究では、野生動物の発癌リスクについて国内における調査はもとより、アフリカについて、初めて汚染物質の実態の把握と、野生動物に対する影響の調査を行うことを目的とした。本研究では、平成19年度に研究対象動物のカバのサンプリングをザンビアにおいて行う予定であったが、現地のスタッフ調整の遅れおよび雨季のために、年度内に調査および現地での試料調整を完了させるのが困難になった。そこで、動物収集期間を平成20年9月30日まで延期するためにザンビアにおける研究費分の繰越を申請し、予定していた動物の採集を行った。収集したカバの試料の一部は、化学物質感受性の種差同定のために用い、特に発がん性の感受性を決定する主要因子の1つシトクロムP450などのクローニングを行った。また同時に、国立公園内の希少動物のサンプリングも行った。
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